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My little Lecce

南イタリア プーリア州 レッチェからサレント地方の美しさをお伝えします

ディオールに選ばれた手織りの生地 レ・コスタンティーネ財団

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日本の皆様 プーリア州 レッチェからブォンジョルノ!
今日はサレント地方、オートラントの近くのカサマッセッラという小さな集落にもたらされたとある 奇跡のようなシンデレラストーリーをレポート。

レッチェから車で30分ほど南下したところ、オリーブの木々に囲まれた人里離れた場所に、カサマッセッラという小さな集落があります。ここにサレント地方に伝わる手織りの生地の工房兼機織り職人養成所
レ・コスタンティーネ財団があります。



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先日、7月22日にレッチェで開催された世界的メゾン クリスチャン・ディオールの2021年度クルーズコレクション・ショーにて使用された代表的なドレスのいくつかはこのレ・コスタンティーネ財団の工房で作られました。

そうなのです、この工房で織られた手織りの生地がデイオールの名を冠して世界中に発表されたのです。


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こちらがレ・コスタンティーネの手織りの生地を使用したいくつかのドレスのうちのひとつ。


このレ・コスタンティーネ財団、もともとの歴史の始まりは1800年代後半までさかのぼります。

小さな集落カサマッセッラで生まれ育った貴族の女性たちが協力して、この地に織物の工房と集落の女性たちの生活全般をケアする共同施設を発足したことがはじまりです。

当時はびこっていた、女性に対する閉鎖的で画一的だった偏見と差別。それらを払拭するため、女性が自由に自立して自らの人生を生きていくためには女性自身も手に職を持つこと、協力し合うことが重要と考えた女性たちが南イタリアの最果てのこの地に存在しました。

この工房兼相互扶助施設の発足に尽力した女性のうちの一人、ルチア・スタラーチェの思想が記録されています。

“私が望んでいるものは、単なるありきたりの共同施設などではなく、自然に囲まれた、健康的な暮らしを慈しみながら送ることができる人間的で家庭のような環境です。文明の進歩という名をかざした、人間の魂までをもロボット化してしまうような残酷な現実で溢れる都会から離れた環境の中に我々の理想の施設をつくるべきなのです”


1900年代前半にこんな思想を主張した強い女性がこの地にもいたのかと思うとなんとも感慨深いものがあります。


そして、財団は、1998年、現財団プレジデントであるクリスティーナさんの尽力によっても大きく前進することになります。

クリスティーナさんはもともと弁護士で、この集落カサマッセッラが所属する街、ウッジャーノ・ラ・キエーザの初の女性町長も務めた有能なパワフルウーマン。彼女は、この財団が発足された当時に創立者たちが残した大変先見的な企業理念に心から共感し、この財団が社会に果たせる役割の可能性、工房で製作される織物の類まれな芸術的、歴史的価値、サレントマンマ職人たちのもつ優れた技術と長年の経験、そういったものに着目し、大きな可能性を見出しました。


しかし、2008年、クリスティーナさんはクリスマスの夜に、当時21歳だった、最愛の息子さんを交通事故でなくしてしまうという悲劇に見舞われます。この事件をきっかけに、クリスティーナさんは、生まれ育った土地が培ってきた伝統工芸である手織りの織物の技術、文化、職人たちを守り抜き、後世に必ず伝えていくことを誓い、若者に職業を与えたいという思いから、織物職人の養成所も財団内に創設しました。

この土地の歴史と伝統がつまったこの織物の芸術を何があっても守り抜くと心に誓ったそうです。
そして何度も消滅の危機に遭遇しましたが今日まで必死に守り抜き、

今年2020年の春、レッチェ市長経由でパリのクリスチャン・ディオールから一本の電話があり、次回のショーのドレスの素材として採用したいと考えているとの打診があり、クリエイティブ・ディㇾクター マリアキウーリ氏が来訪、この工房と作品を見て採用を即決されたそうです。


サレントの小さな小さな工房から誕生した、まさにシンデレラ・ストーリー!


クリスティーナさんは、亡くなった息子さんに真っ先に報告したそうです。



クリスティーナさんの、“絶対にあきらめなかったら必ず奇跡はおきるのよ。” という言葉がとても印象に残っています。


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こちら工房の様子。

デイオールのコレクションで使われたテキスタイルは、このような1800年代後半から代々受け継がれてきた木製の機織り機を使って、手織りされています。


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ここで働く機織り職人は全て女性、サレントのマンマたち。
熟練した技と経験を持つマンマたちが、気が遠くなるほど時間のかかる大変複雑な工程を経て作り出すㇾ・コスタンティーネの織物はまさに芸術作品。


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こちらは壁掛けのタペストリー。

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こちらは鮮やかなブルーが美しいマット。大きめですので、小さな絨毯としても。



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端の処理はマクラメの技術を使用。
手がかかっています。


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美しい緑のマット。


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クッションの数々。すべてこのレ・コスタンティーネ財団が百年以上の歴史の中で受け継いできたデザインです。



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色見本帳の中から色を選んでパーソナライズももちろんできます。



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カシミア100パーセントの上質マフラーも販売。なんと美しい手織りのマフラー!

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美しい色とりどりのシルクの糸の棚。


こちらのビデオで財団プレジデント クリスティーナさんのお話が聞けます。工房の様子も見れます。
日本語字幕付き!  ↓








工房はもちろん見学可能。オーガニック食材使用のレストランもあり、観光客用の短期織物コースもあります。
宿泊施設も完備。


My little Lecce では、ご要望に合わせて織物コースのオーガナイズも承っております。

コロナ騒動が終息したら、レ・コスタンティーネでサレント地方の伝統の織物製作体験してみませんか?
お問い合わせはお気軽に!


では、サレントの誇り、レ・コスタンティーネのシンデレラ・ストーリーをお伝えしました。

ア・プレスト!


レ・コスタンティーネ財団のオフィシャルサイトです↓








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by mylittlelecce | 2020-09-15 10:41 | MADE IN SALENTO | Comments(0)

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