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My little Lecce

南イタリア プーリア州 レッチェからサレント地方の美しさをお伝えします

ターラント国立考古学博物館レポート その2 ー MARTA  ー

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南イタリア プーリア州 レッチェから、皆様 ブォンジョルノ!
ターラント国立考古学博物館レポート
その一からだいぶ時間がたってしまいましたが、まだあきらめていません。今回がその二レポートの投稿になります。

ちょっとだいぶ間隔があきましたのでその一の投稿のリンクを貼っておきます↓






さて、さっそくですが、プーリアが誇るこの国立博物館の所蔵するもっとも有名な展示品。
それが、冒頭の写真の ORI DI TARANTO "ターラントの金細工装飾品" の品々です。

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紀元前4世紀後半につくられたギリシャ植民地時代のターラントで作られた金細工のイヤリングです。
とある裕福な一族の埋葬品として出土したものだそうです。

この緻密なデザインと気が遠くなるような細かい仕事。
2000年以上前に金細工の水準がこのレベルまで達していたという事実に度肝を抜かれるばかり。
いやはやあっぱれです。

金を髪の毛ほどの細さまで加工して線状にして細工をしていく非常に仕事の細かいフィリグラーナという技法が用いられています。

2000年以上前の貴金属工芸職人による並外れた卓越性を証明するもの以外の何物でもありません。


博物館を出た後、ターラントの商店街の現代ジュエリー屋さんのショーウィンドーの中に、
これをそっくり模したものが売っていたんですが、
博物館で見た2000年以上前につくられた実物のこの華奢で繊細な気高い雰囲気ははかげも形も見えず、
2000年前につくられたイヤリングの方が百倍美しいと誰もが言うであろうと思いました。

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こちらは金を薄く伸ばした金片を用いて連なる花びらを形作った冠。


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このほかにもターラントがギリシャ植民地だったころ、すなわち2000年以上前につくられた美しい金細工のアクセサリー類が当時とほぼ変わらぬ輝きを保ち展示してあります。

これらの金細工のアクセサリー類は1980年代に、パリ、東京、ニューヨークなどなど世界の大都市にて巡回展示され大変な好評を博したそうです。


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ターラント国立考古学博物館の数々の貴重な展示品のうち、印象に残ったもののうちの一つ、このマントヒヒ像を紹介して、
レポートその二を締めくくりたいと思います。

こちらの美しい造形美が印象的なマントヒヒ像。
1932年にレッチェ県の美しい港町ポルト・チェザーレオの海、水深5メートルの海底から、素潜りしていた漁夫が偶然発見したという
全長30センチほどの彫像です。


彫像が発していたただならぬオーラとその造形美の美しさを軽視できなかった漁夫は、考古学者に調査を依頼。すると、紀元前5世紀ごろにエジプトで作られたもので当時のエジプト神話の神として称えられ、神事に使われていた神聖なマントヒヒ像だということが判明。ポルトチェザーレオ付近の海を航行中のローマ帝国時代の船が沈没し、エジプトからの積荷として運んでいたものと考えられています。ちなみに台座に彫られている象形文字はいまだに判読されていないそうです。

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ご覧ください! このマントヒヒ様のアップ!
これのポスターが欲しい!


このマントヒヒ像を以前写真で見たとき、日本の弥勒菩薩像にも通ずるクールで柔和な微笑み、ピンと伸びた背筋、お行儀よく揃えられた手足、等になんとも言えない親近感と時空を超えた神秘性を感じこの目で見てみたいとずっと思っていました。あと、キャラが立っているというか、一家に一匹というノリで、日本だったらキャラクターグッズになって売り出されそうな可愛さ。


これが2000年以上前のシロモノで、時代を超越したこの造形美を現代でも拝むことのできる偶然の発見がもたらした奇跡に感動を覚えざるを得ません。


感動と驚嘆の国宝級レベルの展示品があふれる、ターラント国立考古学博物館レポートその二、このへんでお開きにいたします。

ターラントを訪れたら、MARTA は是非とも訪れていただきたいスポットです!

それでは、ア・プレスト!



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by mylittlelecce | 2021-06-25 07:52 | プーリアの美しい街 | Comments(0)

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